16タイプ分類とは
16タイプ分類は、ミキワメに蓄積されたデータベースの分析から、24種類の性格検査項目の上位概念として4つの軸を抽出し、その大小関係によってタイプを分類したものです。
16タイプ分類の解釈に関する重要な注意点
タイプ分類を解釈・運用する際には、下記の点に注意してください。
柔軟な解釈を心がけ、生産的に活用いただくことを推奨いたします。
レッテル張りの危険
人を性格によってタイプに分けて把握するということは、わかりやすくその人らしさを把握できるというメリットがある一方で、タイプによってその人のイメージを固定化してしまったり、決めつけて判断してしまうリスクがあります。
性格検査結果もタイプ分類も、あくまでもその人の一側面を表現するものと理解し、決めつけた判断にならず柔軟に理解しようとする態度がとても重要です。
多様性や誤った評価の危険
性格傾向と同様、タイプにも「良し悪し」はなく、特徴や強み・弱みがあります。
特定のタイプに対して「このタイプは良い」「このタイプはダメ」など判断や評価を固定化して解釈してしまうと、偏ったタイプの人材ばかりを採用してしまい、結果的に組織内の人材の多様性がなくなってしまう等、組織の視野を狭めたり、非生産的な状態を起こすことにつながります。
加えて、性格やタイプに基づいて人事評価を行うことは、人権問題に発展する可能性もあるため、避ける必要があります。
タイプは何かを決めつけたり限定するような"閉じた"使い方ではなく、強みや伸びしろなどの可能性を見つける"開かれた"使い方をすることが大切です。
タイプを構成する4つの軸
【主導-受容軸】
- 高い(主張・主導的):周囲に対して自己主張し、積極的に影響を与え主導する
- 低い(配慮・受容的):周囲に合わせて配慮し、感情や苦悩を受け止めようとする
【楽観−慎重軸】
- 高い(楽観・生産的):物事を前向き・生産的に捉え、失敗を恐れず楽天的に考える
- 低い(慎重・内省的):物事を慎重に捉え、振り返って内省し、失敗しないよう丁寧に考える
【進歩-保守軸】
- 高い(拡大・進歩的):未知の領域への関心を拡げ、新しく挑戦し成長しようとする
- 低い(深化・保守的):既知の領域への関心を深め、仕組みを堅実に守りサポートしようとする
【親和−独立軸】
- 高い(相談・社交的):人への関心が高く、相談・協力しながら対応しようとする
- 低い(責任・自律的):自律的で責任をもって抱えて、自分で対応しようとする
16タイプ分類の大カテゴリとしての4つの人材タイプ
- ドライブ人材:前向きに周囲を主導する人材。時に厳しく仲間を鼓舞し、率先して発言・行動します。マイナスな事象に向き合うのが苦手なことも。(主導-楽観人材)
- コンサル人材:課題やリスクに注目し、解決を渇望する人材。正しさのために警鐘を鳴らし、仲間を啓発します。稀に内省しすぎて落ち込むことも。(主導-慎重人材)
- サポート人材:感情に寄り添い、プラスを喚起する人材。仲間を支え、協調的に組織づくりに貢献します。楽天的で流されやすいと見られることも。(受容-楽観人材)
- アレンジ人材:慎重に状況を見極め、堅実に調整する人材。細やかな配慮や気の利いた行動で仲間を支えます。後ろ向きで受け身と見られることも。(受容-慎重人材)
4つの人材タイプごとのおすすめの職種
4つの人材タイプごとのおすすめの職種や、各人材と4つの軸の関連を下記の図にまとめています。
※あくまでおすすめですので、異なる職種で活躍する場合もあります。
【おすすめの職種】
ドライブ人材
- 活発な法人営業、訪問販売等のハードな営業職
- 前向きで行動力の必要なマネージャー
- 気力や活動性が求められる職種、経営者、事業責任者
コンサル人材
- コンサルティング、企画、人材育成
- 慎重で厳しさが必要なマネージャー
- 常に物事のリスクに目を向ける必要がある職種
サポート人材
- お客様サポート、サービス営業、HR
- 受容的でサポーティブな関わりが求められるマネージャー
- カスタマーサクセス、人を支援する職種等
アレンジ人材
- 事務職、社内サポート、コーポレート部門、開発エンジニア
- 現実的で落ち着いた対応が必要なマネージャー
- 着実にコツコツ進める職種、細かい実務が求められる職種
16タイプ分類の相関関係
4つの軸について、特定の軸が反転するとどのタイプに変化するのかを以下の図で表現しています。
例:「プロモーター」の楽観-慎重軸が慎重側に寄ると、「イノベーター」になる。
「プロモーター」の親和-独立軸が独立側に寄ると、「アントレプレナー」になる。
「アントレプレナー」の進歩-保守軸が保守側に寄ると、「シーカー」になる。
「アントレプレナー」の楽観-慎重軸が慎重側に寄ると、「ブレイン」になる。
16タイプ分類の活用アイデア
16タイプ分類は、システム内からCSV出力することにより、社内や候補者のデータ分析が可能です。
分析や活用のアイデアとして、以下を参考にしてください。
多様性の確認や、職種ごとの向き・不向きの参考に
- 社内人材の中で、どのタイプがどれぐらいの割合で在籍しているのか、また職種別・事業部別ではどうか、などのように、各タイプの割合を知ることで、社内の性格についての多様性が把握できます。
- 採用モデルになるモデル社員や、職種ごとにあまり向いていなさそうな社員などのタイプも確認することで、適材適所の配属に活かしたりすることも可能です。
OJT担当者やメンターをアサインする際の参考に
- 新入社員のオンボーディングや、メンター・メンティー制度を導入する際には、似ている性格(同じタイプ、近いタイプ)のほうが、最初の関係性や印象が良くなりやすいという研究があります。
- 入社後の不安定な時期や、相談相手になるメンターとしては、近いタイプの人材をアサインすることが推奨されます。
関係性が上手く行っている上司-部下の組み合わせの参考に
- 順調に機能しているタッグや、LMX(Leader Member Exchange)、いわゆる上司-部下関係が上手くいっている組み合わせは、どのようなタイプになっているのかを把握することで、その後の配属配置の参考にすることができます。
- 上司-部下関係がうまくいくかどうかは、性格以外にも、職種や業種、職場での管轄の範囲や関わり方、距離感など、様々な要因の影響を受けます。必ずしも同じタイプの相性が良いとは限らないため、自社ではどのような組み合わせが上手く行っているのか、を検討することに意味があります。