1.カスタム質問機能概要
カスタム質問機能は、デフォルトの設問(仕事内容、人間関係、業務負担、仕事への活力、会社への愛着、心身の状態など)に加えて、独自の課題や施策に合わせた質問を自由に追加できる機能です。
組織の現状をさらに深く把握したり、季節性の施策効果や従業員のニーズを可視化することができます。
操作方法については、カスタム質問の追加・編集方法をご参照ください。
2.デフォルト設問との違い
デフォルト設問は、組織の基礎的な状況を測るために標準化されており、優先的にケアすべき人材を可視化するために活用することができます。
一方で、カスタム質問は組織の状況や施策に応じて、柔軟に独自の質問を設計することで、デフォルト設問では見えづらい具体的な課題や改善点を明らかにします。
例:
「リモートワークの頻度は適切だと思いますか?」
◻︎まったくそう思わない ◻︎そう思わない ◻︎どちらでもない ◻︎そう思う ◻︎とてもそう思う
「オフィス環境で改善してほしいポイントをすべて選んでください」
◻︎席数 ◻︎会議室 ◻︎ネットワーク ◻︎水回りの利用方法 ◻︎ディスプレイ
「最近導入したランチタイムの宅配サービスの満足度を教えてください」
◻︎利用していない ◻︎不満 ◻︎やや不満 ◻︎やや満足 ◻︎満足
3.効果的なカスタム質問の設計ポイント
質問の目的を明確にする
例:
施策効果の測定、新たなニーズの発掘、スポットでの意見収集
質問はシンプルかつ具体的にする
以下のような表現は避ける
- 人によって解釈が異なる言葉を使う
例:あなたへのサポートは十分ですか? →「サポート」の解釈が人による - 厳密さを意識するあまり、長すぎて意図がわかりづらい
例:リモートワークを行うことで、作業環境の快適さやコミュニケーションの効率性、業務の質についてどのように感じていますか? - 2つの意味合いを含んでいて、どちらに回答すればいいかわからない
例:現在の業務負担や職場の人間関係に満足していますか?
回答形式を適切に選ぶ
目的に応じて、定量(数値化)か定性(具体的意見)を使い分ける
- 定量的な質問(選択肢形式)が向いている場合
- 同じ1つの物差しで個人や組織の傾向を把握し、その変化を見たい場合
- 定量データを集めて、他の要素と掛け合わせて分析したい場合
- クローズドクエスチョン(Yes Noや当てはまる度合いを知りたい場合)
- 定性的な質問(自由記述)が向いている場合
- 個別のより詳細情報を詳しく知りたい場合
- 特定の施策に対するポジティブな意見や課題感などを詳しく知りたい場合
- オープンクエスチョン(自由に創造的な意見を集めたい場合)
4.カスタム質問の種類と使い方
4-1.5段階評価式
概要
「非常にそう思う」~「全くそう思わない」の5段階で回答する形式。
メリット
- 数値データとして集計・分析がしやすい。
- 回答がシンプルで時系列比較が容易。
デメリット
- 中間値に偏りがち。
おすすめの使い方
- 施策評価:「新制度は業務効率向上に役立っていますか?」
- 職務環境へのフィードバック:「リモートワーク頻度は適切だと感じますか?」
質問文を明確にし、「どちらでもない」回答の偏りに注意する。
4-2.複数選択式
概要
複数の選択肢から1つまたは複数を選んでもらう形式。
メリット
- 回答が簡単で集計が容易。
- 優先順位や共通課題を明らかにできる。
デメリット
- 選択肢の作り方の偏りに注意が必要。
おすすめの使い方
- 優先順位の把握:「改善してほしい点を選んでください。」
- 施策の評価:「評価できる点はどれですか?」
選択肢に偏りがないか確認し、必要に応じて「その他」を設ける。
4-3.自由記述式
概要
回答者に自由に意見やコメントを書いてもらう形式。
メリット
- 具体的な意見や新たな気づきが得られる。
デメリット
- 回答がバラつきやすく、集計に時間がかかる。
おすすめの使い方
- 具体的意見の収集:「業務で負担を感じることは何ですか?」
- 自由な提案の把握:「改善点やアイデアがあれば教えてください。」
負担軽減のため短く答えやすい設問を心がける。
5.効果的なカスタム質問の具体例
目的 | 質問例 | 形式 |
---|---|---|
施策・制度の効果測定 | リモートワーク制度の満足度はどの程度ですか? | 5段階評価式 |
定期1on1には満足していますか? | ||
改善点や要望の把握 | 職場環境で最も改善してほしい点を選んでください | 複数選択式 |
具体的な意見や要望の収集 | 今後、会社に期待することがあれば教えてください | 自由記述式 |
定期1on1の良いところと課題に感じるところを教えて下さい |
6.カスタム質問のデータ活用法
結果の集計と可視化
定量データは数値としてグラフ化し、時系列比較する。
デフォルト設問との関連分析
「業務負担が高い」と感じる回答と施策の満足度を関連づけて分析する(例:相関分析)。
自由記述の傾向分析
キーワードや頻出意見を抽出し、課題を明確化する(例:テキストマイニング)。
カスタム質問の回答結果は、システム上には集計結果が表示されません。
分析する際は、回答結果CSVをダウンロードいただき、実施ください。
7.よくある課題と解決策
課題 | 解決策 |
---|---|
回答率が低い | 設問数を絞り、回答しやすい質問形式を選ぶ。 |
設問が曖昧で回答が分かれる | 質問文を具体的かつシンプルにし、解釈のブレを防ぐ。 |
自由記述の回答が少ない・バラつく | 補足的に自由記述を活用し、回答を促す文言を添える。 |
8.まとめ
カスタム質問を最大限に活用しましょう。
カスタム質問は、組織の具体的な課題や改善ニーズを把握するためにとても便利な機能です。
デフォルト設問の補完として柔軟に活用し、設問の目的・形式・運用方法を工夫することで、組織改善の精度とスピードを高めることができます。
質問は定期的に見直し、組織の変化と共に進化させていきましょう。